大阪3歳熱湯虐待死、母親と交際相手がクッションでの殴打をスマホ撮影

クッションでの殴打をスマホ撮影　母親と交際相手　大阪3歳虐待死

　大阪府摂津市のマンションで8月、新村桜利斗（にいむら・おりと）ちゃん（3）が熱湯をかけられて死亡した事件で、大阪府警は27日、桜利斗ちゃんの顔を生前にクッションでたたいたとして、母親の寿希（じゅき）容疑者（23）を暴行の疑いで逮捕した。交際相手の松原拓海（たくみ）被告（24）＝殺人罪で起訴＝も暴行と傷害容疑で再逮捕した。2人は暴行の様子をスマートフォンで動画撮影していた。府警は桜利斗ちゃんが日常的に虐待されていた疑いが強いとみている。

　2人の容疑は共謀して6月20日、自宅マンションの一室で桜利斗ちゃんの顔をクッションで数回殴打したとしている。松原容疑者は5月5日ごろ、桜利斗ちゃんのほおをたたいてけがをさせた疑いも持たれている。寿希容疑者は「逮捕されても納得です」、松原容疑者は「クッションでたたいたのは遊びだった」などと供述しているという。

　桜利斗ちゃんは8月31日午後、全身に熱湯を浴びたことに伴う熱傷性ショックで死亡。寿希容疑者の外出中に桜利斗ちゃんの面倒を見ていたとされる松原容疑者が殺人の疑いで逮捕、起訴された。

　府警が松原容疑者のスマホを解析した結果、桜利斗ちゃんが6月20日夜、松原容疑者にクッションで顔を数回たたかれる動画が記録されていた。桜利斗ちゃんが殴打後にソファから転倒する様子も映っていた。寿希容疑者が撮影していたという。暴行には素材が柔らかいクッションが使われており、府警は2人が桜利斗ちゃんの顔に傷が残らない方法を選んだとみている。

　寿希容疑者の知人は毎日新聞の取材に、「桜利斗ちゃんがコーヒーをこぼしてもやけどの心配をせず、泣いているのも無視していた。彼氏（松原容疑者）の桜利斗ちゃんへの教育が厳しいと普段から聞いていたが、寿希も一緒になって怒鳴っていたようだ」と語った。

　事件を巡っては、市と児童相談所は桜利斗ちゃんへの虐待を疑わせる情報を再三得ていたにもかかわらず、「緊急性は低い」との判断を変えず、一時保護などの対応を取らなかった。6月15日には、市が桜利斗ちゃんの保育園から「左耳あたりにあざがある」と連絡を受けたのに、母子との面会など詳細な調査をしていなかったことも発覚。大阪府が設置した有識者部会が一連の対応の検証を進めている。
https://mainichi.jp/articles/20211027/k00/00m/040/085000c

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