ひきこもり15年の40歳長男、65歳の母親が泣いてFPに相談「一体私はいつまで働かなくてはならないの」

40歳長男のひきこもり生活は15年。生活の基盤は福祉施設で働く65歳の母親が支える。

賃貸マンションで、預貯金は約180万円。母親が働けなくなれば、生活はたちまち行き詰まる

相談ルームに訪れた母親は大きく息を吐いて、息子について語りだしました。
「最初からこんな状態ではなかったんです徐々に仕事だけではなく、自分に自信がもてなくなっていったようです。出社時間になると具合が悪くなり出勤できないことが続き、25歳のときに依願退職しました。以来、ずっとひきこもったままです」

その後、何度か就職活動を試みたものの、面接日になると体調が悪くなる……を繰り返していた
静観していたら、15年の月日がたっていたといいます

母は生命保険にも入っていませんし、父の治療費などで金を使い果たし、貯金もかなり少なくなったようです
今年1月に他界した父（享年70歳）は約3年間、闘病生活を送っていました。肺がんでした
保険診療や通院するためのホテル宿泊料、治療費で325万円もの出費となりました

ここまでのお話を聞いたところで、母親の今後の夢や希望について確認しました。

＜母親の希望＞
・70歳でリタイア(退職)したい
・退職した年（70歳時）に友達と旅行に行きたい

母親と長女は顔を見合わせて
「母は何歳まで働けばよいのでしょうか」と泣いていました

いくつかシミュレーションしてみると、定年を10年あまり延ばし81歳まで働けば、90歳まで家計をもたせられることがわかりました

「81歳といえば、うちの職場の最高齢女性スタッフの年齢です。先輩を見習わないといけませんね」
と、母が言うと、「そうじゃないでしょ！」と長女が叱責した。

後日、母親と長女に連れられてやってきた長男は、終始落ち着かない状態でした。
家計の実態と改善案を話し2カ月後に再び会う約束を交わしました

約束の日、相談ルームの扉を真っ先に入ってきて、話し始めたのは長男でした
「先生、いろいろと調べたら、SEの技術を身につけられる就職支援センターがあったので通い始めました」

「そうですか。すごいですね」
そう言うと、長男は小声で言いました。
「母に頑張らせてばかりじゃいけないから」
https://president.jp/articles/-/29863?page=1

2019/09/07 9:00