高校に続いて、2浪人して入った大学でも友達は出来ず

母親のいつも同じ話、
そしていつも母親の後ろでごちゃごちゃ言うくせに自分は絶対出ない父親

母親の「直接言えばいいでしょ！ほら！」への「俺はいい」、
今まで何度聞いたか

幼馴染のA子だった

会ったのは中学の卒業式が最後だったかな

そして、これから迎える未来への希望と不安、
そんな事ばっかり話し合ってた気がする

Bは俺たちをファミレスではなく、プールバーへと導いた

俺はいつでも運が悪いのを再確認した

A子が無邪気に二人を応援する

聞いてもらう勇気も、聞く勇気も、俺にはない

「おおお～、ありがと、A子寝てるから俺らだけで食っちゃお、冷えたらもったいない」

「よく3人で一つの肉まんわけて食べてたな、昔」

「ジャンケン負けたやつは皮だけで」

「たいてい俺が皮だけ」

「いつまでもあるわけないって、寝てるのが悪い」

A子はまだ残ってたからあげを独り占めした

「ああ、カーチャンに聞いたよ。高校中退して上京したんだろ？」

「うん、それで今度、暖簾分けして店をやらせてもらえることになって」

「すげーじゃん！」

「それで帰って来てたんだ」

「ま、旅行なんて行く金ないし、頻繁には帰って来れないだろうし」

「大変だろうけどがんばれよ」

アメリカ来たら案内してやるけど！

もう明日出発だから
帰って準備しなきゃ」