肛門の横に小さい穴開いて膿出てきてるんだけど、なんだこれ？？　肛門の赤ちゃんかよ

https://digital.asahi.com/articles/DA3S14940298.html

先を考えず、今を明るく

６０代で直腸がんを患い、人工肛門（こうもん）（ストーマ）を作った男性から届いたお手紙を紹介します。

　●ストーマ公言できる社会に

　６８歳になったばかりの時、直腸がんがみつかりました。１カ月ほど前から便に血が混じっていたので近くの病院で検査したところ「すぐに総合病院へ」と言われ、着の身着のまま、入院しました。

　病院では「がんです」「ステージ４です」「人工肛門になります」と言われて、頭が真っ白になりました。１０時間の手術を経て、オストメイトになりました。

　ストーマのパウチに慣れるのは大変でした。初めのうちは何をやっていいのかわからず、漏れてしまった時などは「こんなことなら死んだ方がましだ」とも思いました。うつ病にもなりました。

　そんな時、一番支えになったのは「先を考えず、目先のことだけを考えて行動してみたら」という妻のひと言です。「普段は偉そうなことを言っているのに、俺はこの程度の人間なんだ」と思い知ることで、落ち込むのとは逆に、変に心が落ち着きました。

　６８歳になるまでは元気でした。５４歳で会社を辞め、「人生でやりたいこと」をリストに書き出し、片っ端からやりました。旅行や食べ歩きが好きで、年に１度は１カ月ほどかけて、妻とレンタカーを運転しながら海外旅行を楽しみました。何カ月も前から、三つ星レストランを予約したことも。

　２０カ国ほど回ったでしょうか。ちょうどリストを全部やり終え、最後の米国旅行から帰国して間もなく、病気がわかりました。

　手術の前に「成功しても、余命は２、３年」と言われました。それから２年余りがたったので、単純計算では余命はあと１年足らずです。今は、残された時間を極力明るく楽しく過ごそうと毎日を送っています。

　「オストメイトです」と公言できる社会が理想ですが、なかなか理想通りにはいかないと思います。だいぶ身近な存在になったとはいえ、相当な不自由・不安・困難・制約の中で生きている方々も多いと思います。外見は普通の人と同じでも心の中で泣いている人もいる。そのことを理解してくれたらうれしいです。

　（東京都 男性 ７０歳）