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学校を囲むフェンスの向こうから
よくAに手を振ってたAはバカで部活でもベンチだったし
マザコンとか赤ちゃんとか
言われてたけど母親はいっつも日傘に帽子をかぶってて
Aに手を振ってた
美人ではないけど不細工でもないし
優しいってのが一目で分かる
柔和な感じだったな
よくAの弟か妹(赤ちゃんだったからよくわからん)をベビーカーに乗せて、散歩がてら
様子を見にきてたのかな -
ホラーの導入みたいな文章やめろ
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確かその日は定期試験の
答案が帰ってきた日でさAは母親に
テストの出来が悪いのを報告してた「あんまよくなかった」
「そんなの、いつもじゃない
部活がんばってね」 -
A嫌がってなかったかそれ
母親に学校来られて部活見られるとか地獄だろ -
怖いお((( ；ﾟДﾟ)))
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その母親はいっつも優しかった
俺以外の部活の奴も
Aにマザコンとかクソ餓鬼とか
言ってたけど
もしかしたら嫉妬だったかもしれないな -
それで
その中でも一番嫉妬してたのは
俺だったもし俺の母さんがAの母さんくらい優しかったら
俺の母さんは厳しかった
テストの点が悪いと機嫌が悪くなって
口を聞いてもらえない
そんな状態じゃ夜ご飯の催促も
いただきますも言えないんだ -
俺は頭がいい方じゃない
いっつもできるだけやってるんだけど
いい時で上位3-4割くらいの成績で酷い時は大体平均くらい
平均より下の教科があると
烈火の如く怒る -
「平均よりしたって意味わかってる？
バカって意味だよ？
社会で必要とされないの」学校で友達のすくない俺は
核社会ですら必要とされないのが
怖くて頑張った -
頑張った結果がそれだった
今回は
だいぶ酷かった俺は答案が帰ってきた今日、
なかなか家に帰れなかっただから、高速の高架下でずっと
座ってた -
座りながらAの事を考えた
あいつの家は学校から近いから
もう家に着いてるかなもう母さんに飯作ってもらって
食ってる頃かな多分あいつは
風呂より先に飯をくうタイプだ -
俺は
脳内でAの家族の子供という妄想をした「そういえば、テストどうだったの」
「あんまりよくなかった、ごめんなさい」
Aは多分、成績が悪くても
謝らないと思うけど俺にはちゃんと自責の念があるんだ
謝った俺に母さんはこういうんだ「まぁ、しょうがないよ。
ご飯食べてもう寝なさい
部活で疲れたでしょ？」 -
うっせーしね
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俺が申し訳なさそうに謝ると
母さんは困ったような顔をしてそんな事は大した事じゃないんだよって
そういう声色で慰めてくれるんだ
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何で
俺の母さんがAの母さんじゃ
ないんだろうずっと
ホームレスも寝てる高架下で
帰ることも出来ずに考えたそんな事より
ほんとうは実の母さんに
なんて言い訳するか
考えないといけないのに -
左をむくと
ちょっとした高層のマンションが見える
最近僕ら家族が引っ越したマンションだ父さんは何の仕事してるかは知らないけど
繁華街で仕事をしてて結構お金があるらしいAが住んでるマンションより
数段いいマンションだでも母さんはAの方がいいな
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悔しさとか情けなさで
落涙を堪えてると
もう陽が沈んでだいぶ経ってたあんまりおそいと母さんが
学校に連絡する可能性がある気は進まないけど
帰ることにした -
この時だけは
高架下のホームレスの人が
うらやましかったご飯なんてどうせ食べさせてくれないし、
怒られに帰るくらいなら
ここで寝てた方がマシだった -
帰り道の途中にスーパーがあって
その時間は結構人の出入りが
激しいんだ人がたくさんいたら
幸せの原型みたいな
家族もちらほらいた母親と子供は手を繋いでる
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あの時のAの母さんの目とAのわめきちらす声が忘れられない
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それが羨ましかった
まだ年端も行かない幼児に
嫉妬するなんてどうかしてるなんで、
定期テストの結果如きに
ここまで頭を揺さぶられないと
行けないんだろう？ -
結局家の入り口の前に着くまで
使えそうな言い訳は思い浮かばなかったゆっくり扉を引いてみる
扉に鍵がかかってれば、
両親とも出かけてるそれを祈った
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扉はやっぱり開いた
こういう時に限って家にいるんだよな、母さん「ただいま」
返事はない
いつもそうだけど、物音もない
少し気になってリビングまで行ったら
母さんはソファーで寝てた -
家にいる両親は基本的に寝ている
仕事で疲れてるんだとおもうでも、俺としてはさっさと嫌な事を
片付けたかった「ただいま」
もう一回近くで言う
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「うるせえよ」
腕を組んで寝てた母さんは
やっぱり不機嫌だった「お前、試験返ってきてるだろ？」
「…よくなかった」
そういうと
母さんは大きいため息をついて
自分の部屋に移動した
夜中の仕事の着替えだと思う -
語り口がなかなか上手いな
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風俗嬢の息子か？
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オチが読めねぇ
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もう怒りすらしない
怒られたくなかったけど、
こういう反応の時、母さんは
すごく怒っている時だもうちょっと言うタイミングを
考えればよかった -
こっちは許しを乞うために
土下座する覚悟もしてたのに怒声が飛んでこないから
なんか調子が狂ってしまったなにか大きい声で怒られたなら
「申し訳ありません」って
土下座出来たのに -
母さんが
黒いスーツを着て出てきた「私らが稼いでる金、ドブに捨ててるの
わかってる？金食い虫」そういって
母さんは仕事に出かけた -
父さんと母さんは
よかなまで帰ってこないそれまで
ひたすら自己嫌悪と戦うんだご飯？
そんなの食べてたら
怒られるよ -
十五階だから
ベランダからはいろんなものが見える俺がさっきいたグラウンドも
Aのいるマンションもちょっとだけ
あそこの803号室に
Aの家族はきっと今も幸せにやってるんだ -
どうして？
何が違う？Aより成績はいいし
運動も出来るよAには劣等感というものが
ないのか？なんで俺より下のやつが
笑ってんだ？ -
なんで
タバコ吸ってイキったやつ、
黒板の代わりに手鏡をみる女子
変なオタクのやつ楽しそうに喋ってるんだよ
何が面白いんだ？
家がこわくないのか？
親が怖くないのか？俺より下のやつだろ？
なんで？ -
俺がこんな事考えてる間にも
Aは風呂に入って
明日の事は何も考えず、
疲れのままに眠りにつくんだろうな俺なんて、
寝る前に毎日
朝がこないように
寝てる間に死んでますようにって
考えてるよA、お前はそんなこと考えないだろ？
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みてるぞ
昔部活の時にさ、友達Aの母さんがよくAの様子を見にきててさ
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