山上の友達、悩む。「あのダンチョーが安倍晋三を撃った？」

男性は高校時代、奈良県内有数の進学校に在籍した。そのクラスメートの中に被告がいた。応援団に所属していて、いつも学ラン姿。朝夕はグラウンドの片隅で、低い声を張り上げていた。応援団長ではなかったが、周囲は親しみを込めて「ダンチョー」と呼んでいた。

休み時間につるんで本やアニメの話で盛り上がり、プロ野球選手のものまねをして笑い合う。どこにでもいる高校生グループだった。

仲間内でけんかが起きそうになると、仲裁に入るのはダンチョーだった。「お前の気持ちもわかるよ」。いらだつ相手にそう声をかけ、落ち着かせた。物静かで、正義感があり、優しかった。

被告報じるニュース　知らないことだらけ

「あのダンチョーが安倍さんを撃った？　マジか」

事件を報じたニュースは、むさぼり見た。被告の母親が世界平和統一家庭連合（旧統一教会）に多額の献金を繰り返していたこと、進学資金に窮するほど経済的に破綻していたこと、家族が自殺していたこと――。初めて見聞きすることばかりだった。

高校時代に、卒業後の進学についてみんなで会話した記憶がふとよみがえった。

「防衛大ってええよな。お金もらいながら学校行けるらしいで」

どんな表情をしていたかは定かではない。ただ、確かダンチョーはそんなことを言っていた。

当時は「武骨なタイプなので、自衛官や警察官の道に進んでもおかしくない」と気にも留めなかった。今から思えば、生活が困窮する中、ダンチョーなりに将来を考えて発していた言葉だったようにも思える。

「悩みを抱え、どうすればいいか分からず、苦しんでいたのか」。そう思うと胸が締め付けられた。

「ダンチョー」の苦悩に寄り添えず　山上被告の同級生が抱える後悔|au Webポータル

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母親が壺買わされてたから特にそう思ったんだろうな

それだけで俺たちは理解した

団長、そういうことなんだな