姉ちゃんの結婚式に出席するんだけど、キチゲェ行為して式を台無しにさせたい。　良いネタ教えろ

https://digital.asahi.com/articles/ASP4J65S9P4JTQIP008.html

再会した人々　写真でたどる　熊本地震から5年

　2016年、震度7の強い揺れに2度襲われた熊本地震では、多くの住宅が被害に遭った。学生向けの下宿を営んでいた女性の自宅は全壊、学生らが片付けに駆けつけてくれた。土砂崩れに巻き込まれた自宅の近くから、思い出の品を見つけ出した姉妹がいた。庭先のビニールハウスで3カ月の避難生活を送った夫婦。

　5年前の地震直後に、熊本県内の被災地で出会った人たちを今月、再訪した。

　南阿蘇村で東海大生の下宿「新栄荘」を営んでいた竹原伊都子さん（60）。30人ほどの食事を作っていた。地震で下宿の隣の自宅は全壊したが、下宿生は無事で何より安堵（あんど）した。親元へ帰し、「帰ってきちゃダメ」と伝えていたが、がれきの片付けにも駆けつけてくれた。大学の機能は熊本市内に移転。学生たちは去ったが、復興支援の作業員らを受け入れ、今も午前3時に起きて食事を作る。

　下宿生たちとの楽しい日々は地震で断ち切られた。「地震さえなければ……」と悔しがる。だが、今も元下宿生とはLINEでつながり、結婚式にも呼ばれる。大切な「財産」だ。村の防災教育ガイドの認定を受け、修学旅行生らに「残された者の義務」として語り部の活動もしている。「ネガティブに考えてもしょうがない。前向きにいかなきゃ」と笑顔を見せた。

　南阿蘇村河陽の当時高校3年だった田爪（たづめ）佑佳さん（22）は、熊本市内の高校に通うため1年の時から熊本県合志市で祖父母と住んでいた。深夜に起きた本震で隣人たちと路上で夜を明かし、連絡の取れない両親と妹・来実（くるみ）さん（17）の無事を祈り続けた。自宅は土砂崩れで全壊し、近くで5人が亡くなった。昼になりSNSで3人が無事だと分かった。3日後の4月19日、自宅近くで思い出の品を見つけた。

　この春、佑佳さんは大学を卒業し、音楽に携わる仕事につくために勉強中で、父親と南阿蘇村で暮らす。来実さんは、熊本市内の高校に通うため、母親と同県大津町に住み、一家は週末南阿蘇村に集う生活だ。別々に暮らす姉妹だが、週末以外にも佑佳さんがアルバイトする熊本市内の塾の帰りに大津の家に泊まることもあるほど仲良しだ。合唱部の妹と音楽の話など話題は尽きない。

　震災から5年、母親は全壊した家に飾ってあったものと同じ、限定品のマグカップやオブジェをフリマアプリなどで少しずつ買い集め直している。「やっぱり家にあった思い出の品だったから」と、佑佳さんも母への誕生日やクリスマスプレゼントとして三つ贈ったと笑顔で語った。

　益城町平田の農業・吉野新一郎さん（73）と広子さん（79）は、地震後約3カ月を自宅庭のビニールハウスで過ごした。自宅は2階部分が崩れ、解体も考えたが、結婚後、共働きで苦労して建てた家には愛着があった。若い頃、左官の仕事をしていた新一郎さんは、平屋建てとして自力で再建した。

　「一時も暇はなかったなあ。あっという間」と、5年間を振り返る。「体が続く限り、ここで野菜を作っていく」。平穏な日常が戻りつつある。