8月8日(金)より全国公開中の『サタンがおまえを待っている』は、スティーヴ・J・アダムスとショーン・ホーラーが共同監督・脚本を務めたカナダのドキュメンタリー映画。1980年代に北米を席巻した“悪魔的儀式虐待(Satanic Ritual Abuse/SRA)”の集団ヒステリー、いわゆる“サタニック・パニック”の真相を探る作品だ。
物語の中心は、1980年に出版された回顧録「ミシェル・リメンバーズ」。精神科医ローレンス・パズダーとその患者ミシェル・スミスが“回復記憶療法”によって明らかにしたとされる、悪魔崇拝者による幼少期の誘拐・虐待体験が描かれている。この本はベストセラーとなり、テレビ番組や法執行機関にまで影響を与え、数々の冤罪事件や社会的混乱を引き起こした。
本作は当時の録音テープ、テレビ映像、新聞記事、そして関係者の証言を交えながら、サタニック・パニックがいかにして社会的現象へと発展していったかを丹念に追っていく。
ミシェルとパズダー医師の共著「ミシェル・リメンバーズ」は大ヒットし、2人はプロモーション、いわば“興行”で世界中を訪れた。いくら精神科医のお墨付きとはいえ、明確な証拠すら提示できていないのに、なぜ「オカルトじみた狂言だ」と片付けられなかったのか? TV番組で“儀式の恐ろしさ”を語る2人の様子は、いま見ると怪しさしかないのだが……。
そんな謎本の出版に協力した神父は、著者の身内に対し「大勢が殺され、一方で救済される」と言ったという。そして「すごく稼げる」とも。これはカトリック教会が同著の出版とプロモーションに積極的に関与していた事実を示すものであり、宗教的権威が“恐怖の物語”を利用し、信仰と道徳の名のもとに社会的不安を煽る“ビジネス”に手を染めていた証拠でもある。ちなみに地元教会は出版に際し補助金も出していたそうだ。
パズダー医師にしてみれば、悪魔崇拝を滅すべきカルトと糾弾すれば自身は“儀式虐待研究の権威”となり、世間の不安を煽れば煽るほど“本が売れる”のだから、当然の振る舞いとは言えるかもしれない。しかしさらなる問題は、サタニック・パニックに便乗して名を売ろうという自称セラピストがウヨウヨと湧き出てきたことだった。
その“作られたパニック”に、メディアが乗っかった。人気トークショーやニュース番組が悪魔崇拝について繰り返しセンセーショナルに報じ、さらに“第2のミシェルたち”の声を大真面目に拾い上げたことで、冤罪事件や家族の崩壊を招くこともあった。
とくに、子供たちの(誘導された)証言によって逮捕された保育士の涙ながらの訴えには戦慄させられる。作中では触れられないが、悪名高い冤罪疑惑事件<ウェスト・メンフィス3>の遠因とも言えるかもしれない。
当時の“儀式虐待カミングアウト騒動”の異様さを改めて映像で見ると、ターゲットを変えて現在も某陰謀論界隈で繰り広げられているレトリックとの構造的な類似性に気づかされる。誰もが知る真実よりも、それを覆す“物語”を信じたい人々がいるのだ。そして“ただしいひとたち”が妄想で作り上げた悪魔的儀式の内容は、思わず失笑してしまう凶々しさだったりする。
そんな悪魔崇拝者が行っているとされた残虐非道な儀式の数々に、世界はパニックに陥った。当時を知る人は、いま再び盛り上がりつつつある荒唐無稽な陰謀論に「またか……」とうなだれる。ならば今、この瞬間にもリアルタイムで届けられる幼児や妊婦、老人への無差別な射殺・爆殺・飢餓・拷問の鮮明な映像には、なぜ多くの人が目を背けられるのかと考えずにはいられない。
悪魔も呆れて天を仰ぐであろう、ごく私的な願望、あるいはカネや権力のための茶番劇。そして、無責任なデマを訂正するための莫大な労力。だからこそ薄ら寒く恐ろしい、イミテーションの皿をひっくり返して人間性の底を見せつけられるようなドキュメンタリーだ。
『サタンがおまえを待っている』は8月8日(金)より全国公開中
「胎児の手足を切断」「生贄として捧げる」世界が信じた“悪魔儀式”の真相を追う『サタンがおまえを待っている』8月8日(金)より全国公開中の『サタンがおまえを待っている』は、スティーヴ・J・アダムスとショーン・ホーラーが共同監督・脚本を務めたカナダのドキュメンタリー映画。article.yahoo.co.jp
そりゃまあ同じ時期に同じ文脈で誕生したキリスト教標榜カルトなので…
ママがサタンにキスをした
日本でも公開された人身売買のやつ
頭の悪いバカが真に受けてた
ほんとに入れてて草
入れてないし記録も無いぞ
日本人自警団が日本人もろとも虐殺したのは記録あるけど
あるってな、国会答弁に、記録。
今でも本が売れそうだよな
内々には蓮舫とかはとっくに呼ばれてるのでは?w


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